24時間プロデュース【完】
Produce 22:01~05:59
鵺は沈黙を強いられる
タタン、タタン、タタン…
一定のリズムで音を奏でながら電車が見慣れた駅を去って行く。
電車の中は人が疎らで座席は充分に空いていた。
そんな中、あたしは無言で隅の方に座っていた。
そしてあたしの隣には、得体の知れない男が一人。
男は黒い帽子を深く被っていた。
横目でちらり、と盗み見た所で
ちゃんとした顔は確認出来無さそうだった。
男は下を向いたまま、無言だった。
だからあたしも何も喋らない。