24時間プロデュース【完】
「やっぱ柑橘系のがすっきりしてるから好みかな。
って、いちる!?」
放心状態のあたしに架はぎょっとして目を見開く。
いやいや柑橘系の方が好みかなとか
そう言う問題じゃ無いでしょ!
今、貴方何したか分かってんの!
口元舐めたんだよ!?
唇じゃ無かったけど!
唇じゃ無かったから…
キスじゃ無いけどっ!
「おーい、いちる?」
目の前でひらひらと手を振ってあたしの瞳孔を確認している架はあまりにも平然過ぎて。
こんな事でドキドキしている自分がバカらしくなってしまう。
「はぁ…」
深い溜息を吐いて項垂れる。
「ほら、いちる。
あーんしてみ」
……。
あーん?
顔を上げると目の前にはマンゴーソフトクリームを差し出す架。