24時間プロデュース【完】
愛されてた…
あたしが?
「だからこそ諦められないんだよ。
幸せだった頃を覚えてるから」
「…っ」
七夕で笹の葉に短冊を書いて願った事がある。
皆将来の夢を書く中、一人“おかあさんとおとうさんとなかよくなれますように”って。
捨てたいのに捨て切れない。
信じたいのに信じきれない。
「…どうしたら良いか分かんないよ」
涙が溢れてきてぽつりとワンピースを濡らした。
「諦めたくても、諦められないものって何だか知ってるか?」
架は泣いてるあたしに気付いているのかいないのか。
優しく頭を撫でる。
「…知らない」
今まで胸に詰まっていた鉛が急に引っこ抜かれて
様々な感情が行き場を無くしてさ迷う。