24時間プロデュース【完】
「それを人は“夢”と言うんだよ。
俺はいちるの夢を信じる。
誰の当たり前でも無い
いちるの当たり前の家族が取り戻せるって」
「っ」
「明日かも知れない、明後日かも知れない。
もしかしたら今日かも知れない。
いちるが信じて裏切られるのが怖いって言うなら俺が信じてる」
ああ、視界が歪む。
この事では絶対に泣くまいと心に決めていたのに。
同情では無くて、あたし自身を信じてくれると言う言葉がこんなに嬉しいものなのだと。
あたしは今日まで知らなかったよ。
「一人で抱えなくて良い。でも相談しろとは言わない。
けど、自分を褒め讃える事も大切だ。
たまには“良くやった”って御褒美の言葉をあげる事だって大切だ」