24時間プロデュース【完】
久々に泣けて良かったのかも知れない。
涙と一緒にいろんな悪いものが流れ出た気がする。
話して良かった、なんて思ったのもこれが初めて。
架、本当に有り難う。
…って、
「せっかく観覧車に乗ったのに、てっぺんで景色満喫するの忘れてた!」
「わ、本当じゃん!」
慌てて二人で窓に視線を走らせて、
景色を満喫しようと奮闘するも
下を少し見ただけで、もう地上がすぐ側に近付いて来てる事に
顔を見合わせて笑った。
「有り得無い!
この観覧車逆回りしないかな!?」
「する訳ねぇよ!」
「やだ、もう地上近い近い近いーっ!!」
「バカ、揺らすな!」
こんなやり取りさえ嬉しくてお腹が痛くなるんじゃないかって程笑ってしまった――。