24時間プロデュース【完】
見えない鬼ごっこ
それは観覧車を降りた時だった。
隣に居る架が急に誰かに肩を叩かれて振り返った。
其処には――
『やっぱり、似てる。
…と言うか、本人だよね?
天才俳優の高塔架くん?』
そう言ってにやりと笑う男の姿があった。
「架、知り合い?」
思わず駆け寄ると。
「あれー君はもしかして
もしかすると高塔架の恋人だったりするのかな!?」
キラリ、と男の瞳が光った気がした。
「べ、別にそんなんじゃありません!
違います!」
何なの、この男!
気持ち悪い視線に苛々して架の腕をぎゅっと掴む。
「……。」
架は黙ったままだった。
けれど、とても怖い顔をして男の事を見つめていた。