24時間プロデュース【完】
こうなったら先に行こうかな。
そう思ってくるりと架から背を向けた時だった。
「ごめんね、ちょっと今急いでるから」
そう答える架の声が聞こえたからと思うと次に、
「逃げるよいちる」
耳元でぽそっと囁かれた。
「う、…ひゃあ!」
“うん”
と答える前に手を強く引かれて。
また前のめりになる様にして走り出す。
「「きゃあああ架くん!!」」
「「待ってぇ~!!」」
背後から女の子達がぱたぱたと追い掛けて来る足音が聞こえる。
ひ、ひぇええええ!
「いちる、予定変更!
このまま出口突っ切るぞ!」
「分かった!」