24時間プロデュース【完】
目の前をとぼとぼと歩いているカップルや家族の影が陽に照らされて長く伸びている。
その影を踏んで、擦り抜けて退園ゲートへと辿り着いた。
ガコン、ガコン、
一人ずつ仕切り棒の付いたゲートを通って行く。
『有り難う御座いました。
またのお越しをお待ちしております』
従業員の女の人がぺこりとお辞儀をしている。
先に架がゲートを通って次にあたしがゲートを通った。
あたしが通るほんの少しの間、女の人は架に気付き目を丸くして口をぱくぱくしていたが
それを気にする余裕も無く迫って来る追っ手の声。
『架くん待ってー!』
『おい、来たぞ、高塔架!
やっぱり出口で待ち伏せは当たりだったな!』