24時間プロデュース【完】
「時間が無いんです!
道を空けてくださいっ!」
架の手を引いて、走る。
あたしのただならぬ叫び声で何人かが道を空けてくれた。
「あ、待て逃げるな!」
「シャッター切れ!シャッター切れ!」
記者とカメラマンが慌てて後ろを駆けて来る。
パラダイスランドから一直線ですぐ駅だ。
息を切らして駅に辿り着いたあたし達は財布を乱暴にこじ開け
光った値段のランプを適度に押し、機械から切符をもぎ取る様に引っ掴み
改札口を走り抜ける。
『6番乗り場に快速――行きが止まります。
白線から離れてお待ちくだ…』
調度聞こえたアナウンスに耳を澄ませ、どちらとも無く6番乗り場のホームへの階段を駆け上がった。