24時間プロデュース【完】
虚偽塗れの逃避行
それから電車が二つ目の駅に着き、あたしと架は無言で降りた。
適当に買った切符だったけど、追加精算しなくてもすんなり改札口を通れた。
どうやらお金は足りてたみたいだ。
駅を降りて、街を歩き始める。
隣を歩く手がぶつかった時、まるで迷子になった子供を再び離さない様にするかの様に
架は再びあたしの手を握ってくれた。
夕暮れの街、大通りには沢山の車が走り、
交差点には沢山の人が並ぶ。
降りた事の無い駅だったけれど華やいだ場所だった。
そんな中、もう当たり前の様に自然に架と手を繋げる事が凄く嬉しかった。
目の前には大きなビルやデパートが連なって立ち上がり、
横の筋道に入ると商店街になっている。