24時間プロデュース【完】
病室を出ると目前には廊下が広がった。
左右を見渡すも廊下には人一人の影も無く。
喉の乾きを覚えた俺は自販機を目指そうと
取り敢えず廊下を歩き出し、突き当たり右の角を曲がろうとした。
その時だった、人の声と啜り泣きが耳に入ったのは。
どうやら、角を曲がってすぐの場所に立ち止まって話しているらしく
人影が二つぼんやりと見える。
ただ通るだけとは言え、このタイミングで隣を横切っても良いのだろうか。
ふ、と立ち止まって考えた時だった。
会話が耳に届いた。
“先生、あの子は…あの子はどうなるんでしょうか!?”
“今の状態では何とも言えません。
ただこのまま放置されると容態は悪化するばかりです”
医師らしき男の人の声と、女の人の声だった。