24時間プロデュース【完】
優しい腕に涙がある
「それからはもう自暴自棄さ。
不良少年!架くん!ってね」
話し終えた架は気持ち悪い程明るく笑った。
あたしは――
それを同じく笑って受け流す事なんて出来無かった。
出来る訳が無かった。
「……。」
無言で架を見つめると架はくすくす笑った。
「やー、でも事前にそうやって立ち聞きしたからさ
実際に診察室に呼ばれて自分の容態説明されても人事の様に対応出来たのは良かったよ。
もう驚かなかったしね」
「……、」
「寧ろ話し難くそうに俺に説明した後の先生の表情の方が驚いた顔してて
俺が笑いそうになっちゃったよ。
きっと“何でこの患者は自分の侵されている境遇に喚き泣いたり嘆いたりしないんだ?”って思ったんだろうな」