24時間プロデュース【完】
「もし仕事に穴空けたら新人なんかに次の話来なくなっちゃうだろ?」
「それは…」
確かにそうかも知れないけど。
「俺には自分の身体の不具合より仕事の方が大事だったんだ」
「何で…っ」
「何でって、決まってる。
好きだからだよ、仕事が。
役者として、俳優として演じる事が、舞台に立つ事が」
「っ」
何も言えない。
架は凄く真剣な瞳で――
でも、凄く優しい表情を浮かべていたから。
それは本当に愛しいものを見ている様で。
本当に大切にしているんだなって、
凄く分かるのに。
言葉では言い表せられなかった。
あたしなんかがそれを簡単に言葉で表しては
いけない様な気がした。
架の、架だけの純粋な想い。