24時間プロデュース【完】
「それに、中々気付かないと思う。
自分が侵されてる病気が酷いものなんて。
皆自分では気付かないから、早期発見出来無いんだろ?
ドキュメンタリー番組の回想とかそうじゃん」
「…そうだね」
確かに、もしあたしが架の立場であったとしても。
よっぽどの事が無い限り病院には行かないんだろう。
“まさか自分が”なんて夢にも思わないし。
周りがいくら心配しても少しの事位じゃ“大丈夫だから”で済ますだろう。
だって人は皆、大抵何の根拠も無いのに
自分の身体は大丈夫だって思ってしまう所があるから。
「手術は、すぐ受けようって思わなかったの?」
「あー…うん。
俺の意向も事務所側の意向も最悪の事態になるまでは病気の事は伏せておこうと思ってたし」