24時間プロデュース【完】




あたしが“君に枯れない花束を”のドラマを絶賛した時、
架が不機嫌になったのは。


自分があの主人公と侵されている境遇が似ていたからなんだ。



同じ病気とまではいかないだろうけど

同じ“死”が付き纏う病気――



“やっぱ死ネタだからかな”

そう呟いた架の寂しそうな顔がフラッシュバックする。


…っ、あたしはバカだ。


知らなかったとは言え嫌な思いをさせてしまっていたんだね。



「…それから取り敢えず来ていた仕事は全部引き受けた。

身体にガタが来るまで、やれる範囲の事は全部やりたかったし

身体の事知ってる人には
スケジュール詰め込んだら却って体調崩すだろ、なんて言われたけど」



「そんな気遣いさえ俺には悠長な考えに思えたんだ」




< 317 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop