24時間プロデュース【完】
架は優しいんだよ。
優し過ぎるんだよ。
自分の事だけ考えてしまえれば楽になるのに。
周りの気持ちばっかり先に考えて自分の事は後回しにするから。
だから――
「架、手術受けて」
あたしは架の信じ切れない未来を信じるよ。
架に笑っていて欲しいから。
「あたしも両親と向き合う事頑張ってみるから」
それは架が信じてくれたあたしの未来だから。
「もし駄目だったら、あたしが一緒に生きてあげる。
今度はあたしが一緒に架の夢を見付けるから!」
架を抱き締める腕が強くなる。
泣かないと決めていた筈なのに。
あたしの双眼からは大粒の涙がぼろぼろと零れ出していた。