24時間プロデュース【完】
懐疑的な僕等へ告ぐ
「本当はさ、頭の中じゃ分かってたんだ」
「え?」
どの位の時間が経っただろうか。
お互い泣き疲れて無言の時が流れて。
それも大分落ち着いた頃だった。
再び架が口を開いたのは。
「手術、受けなくちゃいけないなって事」
「……。」
「だけど心が付いていかなくて、中々気持ちの整理が出来無くてさ。
結局、今日の今日まで来ちゃって」
「…うん」
「で、昨日ふと病室で思ったんだ。
もしこのまま死んだら俺は誰に何を出来たのかなって。
自分のした事が誰かの為になれたのかなって」
“――それで最後の悪足掻きをしようと思って病院を抜け出したんだ。”