24時間プロデュース【完】
「俺、いちると出逢えて良かった。
誘拐したのがいちるで良かった。
いちると一日過ごせて本当に楽しかったよ」
そんなの…
「あたしもだよ」
それはたった一日。
ほんの少しの時間。
だけど懸命にもがいたね。
必死に閉じようとする道をこじ開けようとしていたね。
意固地だった考え方も少し視点を変えてみるだけで新しい世界を見れる様になる。
それを架と出逢って知れたの。
変わっていける、これから。
そんな気がするの。
「ねぇ、いちる」
「うん?」
「誰かを少しでも喜ばせたくて手術前に最後にプロデュースがしたいって思ったけど…」
「今日一日、いちるは俺と一緒に居てどうだった?」