24時間プロデュース【完】
「…ごめん」
唇が離れて、目を開けると架は申し訳無さそうに笑っていた。
あたしは、首をふるふると横に振る事しか出来無い。
架の“ごめん”の意味は何となく分かってる。
だけど“同じ気持ち”かも分からないのに
応えて良いか分からないから。
ただ、“嫌じゃ無いよ”それを伝える為に。
首を振った。
「だから、首千切れるよ」
架はもう笑顔だった。
だから、
「平気だよ!」
あたしも笑顔で笑った。
「誰かの前で泣くなんて、久々だったな」
「一人では泣いたの?」
「たまにね」
「あたし以外の前では?」
「小さい頃、両親の前でかな」
「何それ」
結局、他人の前で泣くのは初めてなんじゃん。