24時間プロデュース【完】
「“最高の一日だった”
いちるのその一言が聞けただけで充分、
俺も幸せになれたわ」
伸びをしながら、立ち上がる架。
ひゅう、と冷たい風が吹く。
それが火照った今の身体には心地良かった。
今は何時だろうか?
鞄から充電が無くなり掛けの携帯を取り出す。
ディスプレイに映る時計は20時42分を差していた。
「すっかり時間経っちゃったねー。
どうする?これから晩御飯とか――」
立ち上がって、目の前の架に声を掛けた時だった。
「がはっ、ごほっごほっ」
架は噎せてその場に踞った。
はっ、としたあたしは急いで架に駆け寄る。
「ちょっと!架!大丈夫!?」