24時間プロデュース【完】
「ちる」
「うん」
「いち、る」
「うん」
まるであたしの存在を確かめるかの様に
何度も名前を呼ぶ架。
「大丈夫だよ、あたしは此処に居るよ。
だから心配しないで」
「ちる、」
「うん?」
「俺、頑張、るから…」
「…うん」
「頑張って、みる、から…」
「うん、」
「いちるだけ、は、俺の事、信じ、てて、くれる?」
「…信じるよ」
それは誰より優しくて脆い彼の可愛い、お願い。
女の子みたいな細い腕、でも男の子特有の骨張った手。
でも、その手の持つ優しくて時に力強い温度をあたしはもう知ってるよ。
「約束する」
他の誰もが信じなくても。