24時間プロデュース【完】
芸能人と言う事もあり、架の両親が選んだ特別室に入院時はいつも入るらしい。
手術をすぐに始めるかは架の状態に因るらしく、緊急処置の具合で決まるとの事。
手術はよっぽど緊急事態で無い限りは
患者が落ち着いている容態の時に行った方が良いらしい。
それは当然の事なのだ。
処置を余儀無くされた架に、あたしは離れざるを得なかった。
だから今、ナースステーション前の待合室で
待っている事しか出来無いのだ。
「全然大丈夫そうに見えないが…」
彼はあたしの座るソファーの一人分間隔を空けた場所に座った。
大丈夫じゃ無いよ。
大丈夫な訳無いよ。
でも、
「今の架の侵されている状態に比べたら
あたしなんて全然大丈夫です」
それは本当の事だから。