24時間プロデュース【完】
「…なら、交渉成立って事で」
あたしはにっこり微笑んで、もう片方の手を男の手に添えた。
…大丈夫。
いざとなったら、逃げられる。
彼はあまり体調が優れていないみたいだし。
それに何より、ここであたしが断って
彼がショックを受けて自暴自棄になって
自殺でもされたら堪ったもんじゃ無い。
まあ、そんな事はしないと思うけど。
何となく見た目で。
ちらりと男を見ると、シャツから出た二本の腕は男の人にしては細い方で、所謂華奢だった。