24時間プロデュース【完】
“向き合いたい”
その気持ちを忘れずにいれば、きっとどんな瞬間を迎えたって
お互いを大切に出来る。
あたしはそれを信じてるから。
「あたしも架が大好きです――」
言いたくて、でも言えなくて。
伝えたかった想いをやっと今伝えられた。
これ以上嬉しい事なんて無いよ。
「いちる、」
真っ赤な顔をしているであろう
あたしに架の柔らかな笑みが落ちる。
「俺、もう一度此処から頑張ってみようと思うんだ。
もう一度、役者として活躍したいし
いつか何らかの形で誰かをプロデュースしていく事も諦めたくない」
「…、」
「その為にも、いちるにお願いがあるんだ」
「え?」
あたしに、お願い?