24時間プロデュース【完】
「返事は?」
なんて聞いてくる架はやっぱりちょっと意地が悪い。
そんなの聞かなくたって分かってるくせに。
それには答えず、あたしは尚も溢れ出る涙を拭いながら
架から渡された花束をぎゅっと抱き締めた。
――夢は想いを、想いは夢を届ける。
「ねぇ、俺に誘拐されてくれない?
今度は本気で」
「…バカじゃ無いの」
心なんてずっとさらわれたままだったのに、今更。
空は快晴、星が瞬く街の駅。
――僕達は未来を誓った。
逃げて辿り着いた、いつかの二人が出逢ったこの場所で。
――此処からまた歩き出すんだ。
〈END〉