24時間プロデュース【完】
視界いっぱいに広がるのは、見渡すばかりの畑に田圃。
映るものは緑ばかりだった。
こんなにのどかな土地があったなんて。
目を見張ってしまう。
田圃や畑の間を縫って、ぽつぽつと民家が建っている。
初夏の風が吹いて、近くの木々をさわさわと揺らす。
頬に風を感じながら、靡いた髪を手で軽く整えた。
やっぱり夜中なだけあって昼の生暖かい風とは違い、ひんやりしている。
ちょっと寒い、位かも。
隣を見ると男もきょろきょろと辺りを見回していた。