24時間プロデュース【完】
「…それもそうか。
なら、一つだけ約束して欲しいんだ。
俺の正体や名前、一緒に行動する内容の話は」
男はよっぽど用心深いのかギリギリまで念を押す。
「“絶対に誰にも言わない”って」
…別に捕って喰おうって訳でも無いのに。
大体、正体も何もただの誘拐犯じゃない。
心の中で軽く嘲笑して男に再び向き直る。
「分かった、約束するから。
だから勿体ぶらずに見せてよ、貴方の顔を。
正体とやらを明かしてみせてよ」
どうせ“中身はヘタレなただの弱っちい男”
そう思っていた、のに。