24時間プロデュース【完】
「ほらな、やっぱりそう言うと思った」
そう言って、苦笑する男は。
あたしの目の前に佇む男は。
髪は漆黒、切れ長の目に、形の良い鼻筋、艶やかな頬骨。
その顔のパーツ全てに、あたしは確かに見覚えがあった。
コイツは、この人は――!
「高塔架(タカトウカケル)…!?」
「…に見える?」
あたしの問いに、可笑しそうに問い掛け返してくる男は
正真正銘、彼“本人”だと言う事を証明していた。
――目の前に居る、男。
“高塔架”はTVでよく姿を見掛けていた俳優、
所謂“芸能人”だった。