24時間プロデュース【完】
「あれが一番好きって言ってくる奴ばっか。
あのドラマの何処が良いんだか」
「え――」
「…なんてね!
嘘、嘘、普通に嬉しいよ。処女作で演技もがっちがちの固い動きしか出来無かったのに
好評みたいで嬉しい限りだよ」
たった今、苦虫を噛み潰した様な不機嫌な顔をしていたくせに
それは嘘だと言って、にこっと笑う。
掴めない男だ。
嘘なら、嬉しいなら、最初から喜んでくれれば良いのに。
悪ふざけなのか、いちいち最初に不機嫌な態度を取って見せる意味が分からない。