24時間プロデュース【完】
かく言うあたしも、そのドラマは珍しく毎週追っ掛けていたから
最後の回でうるっときた記憶がある。
“所詮フィクション”なんて冷めた考えが頭の中にあったから
他の人達みたいに号泣とまでは行かなかったけど。
それでも少なからず、感動していた。
自分と同い年の彼が、こんなにも迫真の演技が出来るなんて、と。
毎回見入ってしまう程、画面の中の彼は生き生きしていた。
病気と言う設定にも関わらず、一度も弱音を吐いたりなんかしなかった。
ただ、見舞いに来た彼女が帰った後だけ見せる
切なげな表情が、何故か酷く苦しくて。