24時間プロデュース【完】
「うわぁぁ」
隣に座った瞬間、小さく声を漏らして髪を掻き上げる架。
「え、何!?」
それに驚いて訊ねると、
「ごめん!」
返ってきたのは懺悔の言葉だった。
え、
「“ごめん”って何が?」
きょとんと首を傾げると。
「野宿とか、俺は平気だけど…
いちる女の子なのに」
彼はあたしが野宿する事に申し訳無く思っているらしかった。
「や、別に平気だよ。
真冬とかじゃ無いし、凍死しないって」
けらけら笑って返すと、
「いや違くて」
焦った様な架の声。
ああ、もう気にしなくて良いのに。
そんな事。
女の子扱いされると妙に擽ったい気持ちになる。