24時間プロデュース【完】




「うわぁぁ」


隣に座った瞬間、小さく声を漏らして髪を掻き上げる架。



「え、何!?」


それに驚いて訊ねると、


「ごめん!」


返ってきたのは懺悔の言葉だった。


え、


「“ごめん”って何が?」


きょとんと首を傾げると。


「野宿とか、俺は平気だけど…

いちる女の子なのに」


彼はあたしが野宿する事に申し訳無く思っているらしかった。


「や、別に平気だよ。

真冬とかじゃ無いし、凍死しないって」


けらけら笑って返すと、


「いや違くて」


焦った様な架の声。


ああ、もう気にしなくて良いのに。


そんな事。



女の子扱いされると妙に擽ったい気持ちになる。




< 82 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop