24時間プロデュース【完】
手に持っていた小さな鞄を横に置いて
あたしも架と同じ様に寝転んだ。
あ、意外と気持ち良いかも。
草がクッション代わりになってるし土も固く無い。
風も心地好いし、うん一晩なら余裕余裕。
「そう言や、いちる」
「うん?」
架に再び声を掛けられてあたしは疑問符で応える。
「いきなりいちるの事、誘拐して来たけど…
家、大丈夫なの?」
「え」
その言葉に一瞬、身体が強張る。
寝転んだ身体の上半身を再び、ゆっくりと起こした。
「家って…」
「ほら、親御さんとか。
流石にこの時間で娘が帰らなかったら心配するだろ?」