24時間プロデュース【完】
「え」
“何で?”
そう聞こうとしたあたしは、ぐっと口を引き結ぶ。
そう言う、相手の中に深く関わりそうな事は気軽に聞いちゃいけない。
それをすれば逆も要求される事になると分かっているから。
誰にでも心の奥に“あんまり触れて欲しく無いもの”が存在している。
それに触れると言う事は自らをも曝け出す覚悟が必要であって。
あたしには、その覚悟が無い。
だから、架が自分から話さない“部分”には触れてはいけない。
さっきあたしは咄嗟に、取り繕った。
架はああ言ったけど、本当は親から電話なんて来ていない。
メールなんて届いて無い。
…もう何ヶ月も。