24時間プロデュース【完】
げーこ、げーこ!
「……、」
近くの田圃から連なる蛙の大合唱のせいに違い無かった。
はぁ、もうちょっと優しく起こしてよ。
なんて心の中で蛙に無理な注文を付けた時、
「あれ?」
横を見ると隣で一緒に寝ていた筈の架の姿が無い事に気付く。
何処に行ったんだろ…、
寝ぼけ眼の目を擦りつつ、ぼんやりした頭で考えていると。
「いちる!」
後ろから名前を呼ばれて。
その声が架のものであると悟ったあたしは
ゆっくりと後ろを振り向いた。