24時間プロデュース【完】
「痛っ」
叩かれた頭を手で押さえると自然に顔を上げる形になって、
少し剥れた表情の架と目が合った。
「可愛いっつってんだから良いじゃん」
「…そんな事言って。
化粧落ちかけだろうし可愛い訳無いじゃん」
“これだから芸能人様は、お世辞が上手過ぎるのよ”
ふい、と顔を背ける。
「お世辞じゃ無いって」
「ふーんだ」
「ふーんだってガキか」
だって、恥ずかしいんだもん。
こんな乙女心、架には分からないよ。
「いちる」
「……、」
「いちる」
「……、」