【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「でもこれ、ディズニーランドに行かないと買えない商品だと思うの。入院中の佳枝ちゃんが、どうやってディズニーランドにマグカップを買いに行ったの?」
「え……」
嫌味というよりは素朴な疑問のふりをしてそんな質問をした私に
「いや、あの……」
サトシは何も答えられないでいた。
それからまた、沈黙の時間が流れる。
視線を落として考え込むサトシの姿に、呆れてしまう。
ねぇ、サトシ。
この沈黙の時間は、まさか、またしても言い訳シンキングタイム?
「いや、待てよ。あ、そうか、分かったぞ!」
たっぷり時間が経ってから、サトシが沈黙を破り、ソファから立ち上がった。
「分かったって、何が?」
「そうか、そうだったんだよな」
サトシは一人納得したように頷くと、こんなことを言い出した。