【完】 After Love~恋のおとしまえ~

キッチンから、こぽこぽとお湯をそそぐ音が聞こえてきた。

一人暮らしである結衣子さんは、週のほとんどをこの谷本先生の部屋で過ごしているそうで。

この部屋のキッチンは、すっかり結衣子さんのテリトリーとなっているようだった。

サトシのマンションまでかなり遠いところにある自宅住まいの私からすると、なかなか羨ましい環境だ。


リビングにひとり残された私は、ふと、壁に飾ってあるフォトフレームに目を向けた。

ソファから立ち上がってそれに近づき、中に飾ってある写真を見る。

そのフォトフレームは四枚の写真が飾れるようなレイアウトになっており、その四枚の写真には、ちょうど四季折々に撮ったらしき二人の姿が写っていた。


一枚は桜の前で。

一枚は海での水着姿。

一枚は紅葉の季節。

一枚は、スノーボードを手にして。


それは、二人が共有してきた時間が感じられる、とても素敵なフォトフレームで――

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