【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「友里ちゃん?」
リビングに戻ってきた結衣子さんに声をかけられ、はっと我に返った。
「あ、すみません、写真に見入っちゃって」
「それね、入れる写真を浩二が選んだから、水着の写真なんて入ってて恥ずかしいの。あんまりじっくり見ないでね」
結衣子さんは苦笑しながら、テーブルにティーカップを置いた。
私もソファに戻ったが、それでも、視線はそのフォトフレームに向いていた。
「でも、素敵ですよ」
結衣子さんはスタイルがいいから、水着姿だって美しいし。
それに、何より――
「どれも、谷本先生は結衣子さんのことが大好きなんだなぁって、よく伝わってくる写真だと思います」
「そお?」
照れくさそうに笑う結衣子さんは、とても幸せそうで。
「羨ましいです」
本当に、羨ましかった。