【完】 After Love~恋のおとしまえ~
サトシの部屋から駅までは五、六分と聞いていたから、化粧室で急いで髪とメイクを確認してから、改札口でサトシを待つ。
しかし、サトシは十五分も過ぎたころにようやく姿を現したかと思うと、にこやかな笑顔で私にこう告げたのだった。
「ついでにクリーニング屋に寄って洗濯物を出してきたんだ。けっこう混んでたよ」
その言葉に、私の笑顔が一瞬固まった。
私を待たせていると分かっていながら、クリーニング屋に寄っていたの?
なにも待たせている時に行かなくたっていいのに、と内心思いつつ、裏腹な言葉を微笑みとともに口にした。
「そっか。遅いからどうしたのかと思っちゃった」