【完】 After Love~恋のおとしまえ~

「あ、はい」

「私も行こうかしら。どんなお料理を習ってるの?」


月に二回通っているその料理教室では、基本的なものから凝ったものまで、和洋中様々な料理を教えてくれる。

友達と二人で通っているその料理教室の日だけが、実は私にとって友達と会える唯一の機会でもあった。

なぜなら、サトシの空いた時間の都合に合わせるため、料理教室の日以外はいっさい予定を入れないようにしているからだ。


「えっ、そうなの? お料理教室以外の日は予定入れないの?」

私の話に、結衣子さんが驚いたような声を上げた。

「サトシが今日は会えるかもって連絡をくれた日は、絶対に会いたいので……」

「大丈夫? 友里ちゃん、無理してない?」

「無理はしてないです」


多忙なサトシからの誘いは突然なことが多いから、その誘いにいつでも応じられるようにしておきたい。

自分がそうしておきたいだけだ。

友達からは、最近付き合いが悪いと思われてるのだろうとは分かっているけれど……
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