【完】 After Love~恋のおとしまえ~
初めて会ったときと同じ瞳で。
私が好きになった、あの日と同じ笑顔で。
サトシがそんな言葉をくれたから――
私は思わずうつむいて、サトシの腕にしがみつく。
その手にぎゅっと力を込めたとき、サトシは私の顎に手を添えて、顔をそっと上に向かせた。
そして……
――やっぱり映画は、映画館より家で観るのが正解だ。だってこんなに甘い時間は、映画館では無理だもの――
私は麻痺する頭の隅で、そんなことを考えていた。