【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「ねぇ、どうして?」
問いつづける私に、サトシは
「だからそれは……」
と言ったきり、少し黙り込んで。
それからおもむろに、話しの脈絡と関係のないことを言い出した。
「実は俺の母親、小学校の先生なんだ」
「は?」
何故ここで母親の話が出てくるのか、意味が分からないながらもサトシの話に耳を傾ける。
「だから、しつけとかも、それなりに厳しかったわけ。片付けをしないとすごく怒られたし。『使ったらしまいなさい!』って」
「うん……?」
「だから、俺にはそういう習慣が身についているんだよ」
「いや、全然意味が分からないんだけど。それとこれに、何の関係があるの?」
「だから、こういうことなんだ」
サトシは、よく聞けとばかりに、私の両肩に手を乗せた。