【完】 After Love~恋のおとしまえ~
ふと、かつて友達から聞いた話を思い出した。
その友達も、今の私と同じように、恋人の部屋で自分のものではない化粧水を見つけたそうなのだ。
そのとき、その子は化粧水の中身を捨てて、代わりにキッチンにあったみりんを入れてやったと言っていた。
クレンジングクリームの場合は……
中身を捨てて、何に入れ替えてやればいいだろう。
マヨネーズでも入れてやる?
でも――
静かに瞳を閉じる。
私には、ももちゃんに対してそんな嫌がらせをする前に、やるべきことがあるのだった。