【完】 After Love~恋のおとしまえ~


私がそのクレンジングクリームを持ってサトシの元へ向かうと、サトシは書斎で、パソコンの画面を見ているところだった。

「ねぇ、サトシ」

「ん?」

「あのね……」

ごくりと息を飲んで、問い詰めようとした私だったけど……

「おっ、空いてるところあった」

パソコンに目を向けたままのサトシが突然声を上げたので

「え?」

問い詰めるきっかけを失ってしまう。

そんな私に顔を向け、サトシはこんなことを言い出した。

それは、予想もしていなかった提案だった。

「俺さ、今度の週末に実家に帰ろうと思ってるんだ。ちょっと慌しいけど、一泊二日で」

「ふーん」

「それで今、飛行機の空き状況を調べたんだけど、空いてるみたいだから。友里、一緒に来ないか?」

「え!?」

「友里を親に紹介しておきたいと思って」

「……!」
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