【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「サトシって、その看護師さんと仲がいいんですか?」
「ももちゃんと? いや、普通だけど。特別親しい感じではないよ」
いつも私にバレバレの行動を取るサトシなのに、病院の同僚には、バレずにうまく立ち回れているということだろうか。
あるいは、谷本先生は何かを知っていて、だけど私に隠しているだけ?
一瞬のうちにそんな考えが頭の中をめぐったけれど――
谷本先生はそれを、優しく払ってくれた。
「どうして友里ちゃんがももちゃんのことを気にするのか分からないけどさ。心配しなくて大丈夫だよ。だってあいつ、友里ちゃんを親に紹介したんだろ? 将来のことを考えている相手じゃなかったら、北海道まで連れて行かないよ」
心配しなくて大丈夫、と谷本先生がもう一度付け加えてくれたとき、入口からサトシと結衣子さんが入ってくるのが見えた。
「友里ちゃん、ずいぶん上達したから、ここからサトシにバトンタッチだ」