【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「――それにしても友里、すごく頑張っていたよなぁ」
二人でレストハウスからリフトに向かっているとき、突然サトシが感心したような口調で私の背中を叩いてきた。
「さっき、あそこのリフトに乗っていたら、上から初心者コースが見えてさ。友里が練習しているところ、見てた」
「やだ、転んでばっかりだったでしょ。恥ずかしい」
「いや、俺、感動したよ」
「え?」
サトシはふいに立ち止まると、私の方に顔を向けてきた。
「転んでも転んでも、何度も立ち上がって諦めずに滑りはじめる友里に、なんかちょっと感動したよ、俺」
サトシに追いつきたくて。
サトシと一緒に滑りたくて。
サトシのために努力する私の姿を、サトシはちゃんと見ていてくれたのだ。
「友里はがんばり屋だな」
そんなサトシのひとことで、私の努力はすべて報われる。