【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「ねぇ、サトシ。このお茶碗、どうしたの?」
もはや問い詰める気力さえ起きないけれど、一応聞いてみた。
「え? あー……それは、あれだよ。友里と一緒に使おうと思って買ってきたんだ」
「お茶碗なら、もともとあるじゃない」
「ほら、なんか、ペアがいいかなーって」
「サトシが選んだの?」
「あぁ」
ピンクと水色のかわいらしい水玉模様の夫婦茶碗を、サトシが選んだというのか。
突如、悲しみを通り越して、怒りが沸きあがってきた。
バカにしないでよ。
いい加減にしてよ。
怒りのパワーは、私に気力を取り戻させる。
許せない。
もう……許さない。