【完】 After Love~恋のおとしまえ~
私は微笑んで、サトシにこう告げた。
「そっか、サトシとのペアのお茶碗か、嬉しいな。こっちのピンクのが私の分よね?」
「うん」
「私専用?」
「もちろん」
「そう。じゃあ、名前書いておこうっと!」
「え?」
私はそのお茶碗を持って、サトシの書斎へ移動する。
「おい友里……」
油性マジックのキャップをぽんっと開くと、お茶碗の裏に「ゆり」と、自分の名前を書き記した。
「おい、それ油性マジックじゃないか!」
慌てるサトシ。
「落書きするなよ!」
焦るサトシ。
私は涼しい顔で答えた。