【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「別れてくれないかな」
ある夜のこと。
唐突にサトシが、真顔でそう言ってきた。
え?
「気づいているんだろ? 俺とももちゃんのこと」
うん……
「俺は彼女を選ぶから。もう友里とは会えない。会わない」
やだ、そんなの!
「遅かれ早かれ、いつかはこうなること、友里だって分かっていただろ?」
だけど、こうならなければいいなと思ってたよ。
「さよなら」
これで、終わりなの? そんなの嫌!
「さよなら」
待ってよ、サトシ!
「さよなら」
「――サトシっ!」
がばっと起き上がると……そこはベッドの上だった。
「夢か……」
額にかいた汗を手の甲で拭う。