【完】 After Love~恋のおとしまえ~
このところ毎晩のことだった。
サトシに別れを切り出されて、私が泣いてすがる夢を毎晩見るのだ。
サトシの腕の中で眠っているときでさえ、彼に振られる夢を見る。
もしもこの先、本当にサトシが別れを切り出してくる日が来たとしたら……
私はそれを、受け入れることができるのだろうか。
いいや。
夢の中のように、やっぱり泣いてすがってしまうに違いない。
「でも、これだけ毎晩シミュレーションをしていたら、現実に起きたときのショックが少しは和らぐかなぁ」
そんな独り言を言って、悲しく笑う。
私はとうに気づいていた。
この夢が現実になる日が、近いうちに必ず、訪れるだろうことを。